電力計算ツール - 電圧・電流からの消費電力計算
電力とは?
電力(P)は、電気回路において消費される仕事率を表す単位です。単位はワット(W)で表されます。電力計算は電気工事、設備設計、省エネ対策など様々な場面で活用されています。
P = V × I
P: 電力 (W)
V: 電圧 (V)
I: 電流 (A)
P: 電力 (W)
V: 電圧 (V)
I: 電流 (A)
基本計算方法:
- 電圧(V)を入力
- 電流(I)を入力
- 自動的に電力(W)が計算されます
※交流回路では力率(cosφ)も考慮した計算式 P = V × I × cosφ が使われます
直流回路の電力計算
直流回路での電力計算式は単純に P = V × I で計算できます。この値が消費電力となり、機器のエネルギー使用量を示します。
例:12V、2Aの回路では、P = 12V × 2A = 24W となります。
交流回路の電力計算
交流回路では力率(cosφ)を考慮した計算が必要です。有効電力は P = V × I × cosφ で表されます。
例:100V、5A、力率0.8の場合、P = 100V × 5A × 0.8 = 400W となります。
電力と電力量の違い
電力(W)は瞬間的な電気エネルギーの使用率を表し、電力量(Wh, kWh)は一定時間に使用した電気エネルギーの総量を表します。電気代の計算には電力量が使用されます。
抵抗を用いた電力計算
抵抗器の消費電力は以下の式でも計算できます:
- P = V²/R (Rは抵抗値、Vは電圧)
- P = I²×R (Iは電流、Rは抵抗値)
電力計算ツール
電力計算の活用例と実用知識
使用場面と応用例
- ✓ 機器の消費電力確認と比較
- ✓ 電気料金の正確な見積もりと節約計画
- ✓ 電源容量の適切な設計と安全確保
- ✓ 省エネ対策の具体的な検討と効果予測
- ✓ ソーラーパネルなど発電設備の容量計算
- ✓ 工場設備など大規模電力使用の管理
- ✓ PC・サーバーなどIT機器の電力管理
注意事項と専門知識
- ✓ 交流回路では力率を考慮する必要があります
- ✓ 三相交流の場合は別途計算式(√3×V×I×力率)を使用
- ✓ 単位(V、A)を正しく入力してください
- ✓ 大きな値の場合はkW表示になります(1kW = 1000W)
- ✓ 電力量の単位はWh, kWh(電力×時間)です
- ✓ 皮相電力(VA)と有効電力(W)の違いを理解する
- ✓ 3相400V回路の場合は専門的な計算が必要です
電力計算の実践例と覚え方
基本電力計算問題
問題1: 100Vの電源に5Aの電流が流れています。消費電力はいくらですか?
解答:P = V × I = 100V × 5A = 500W
問題2: 抵抗値10Ωに200Vの電圧をかけた時の消費電力を計算してください。
解答:P = V²/R = 200²/10 = 4000W = 4kW
問題3: 力率0.8の交流回路で、200Vの電圧と10Aの電流がある場合の有効電力はいくらですか?
解答:P = V × I × cosφ = 200V × 10A × 0.8 = 1600W = 1.6kW
電力計算の覚え方とポイント
電力の三角形
有効電力(P)、皮相電力(S)、無効電力(Q)の関係は直角三角形で覚えられます:
- 有効電力:P = S × cosφ (W)
- 皮相電力:S = V × I (VA)
- 無効電力:Q = S × sinφ (var)
三相交流の電力計算
三相交流回路における電力計算式:
- 三相平衡時:P = √3 × V × I × cosφ
- 相電圧VS と線間電圧VL の関係:VL = √3 × VS
- 3相400V回路での計算例:
P = √3 × 400V × 10A × 0.9 = 6.23kW