突入電流計算ツール
モーター、変圧器、コンデンサ入力回路などで電源投入直後に流れる突入電流の目安を計算します。突入電流はラッシュ電流・インラッシュ電流とも呼ばれます。定格電流に倍率を掛ける簡易計算と、コンデンサの充電電流を抵抗値から求める計算を切り替えて確認できます。
突入電流そのものの意味、ラッシュ電流との違い、ブレーカーが落ちるときの切り分けは、解説記事の 突入電流とは?原因・計算の目安・ブレーカー対策 で整理しています。
変圧器そのものの容量選定は、負荷kW、力率、需要率を使う 変圧器容量計算ツール で先に確認してから、投入時ピークをこのページで検討すると整理しやすくなります。
突入電流を計算する
負荷種別を選択し、分かっている条件を入力してください。モーターや変圧器は定格電流または容量から突入電流を概算し、コンデンサは印加電圧と直列抵抗から投入直後のピーク電流と時定数を求めます。
突入電流計算で見るべきポイント
ピーク値
投入直後の最大電流です。ブレーカーの瞬時引外し、ヒューズ、リレー接点、電源容量の確認で重要になります。
継続時間
同じピーク値でも、数ミリ秒で収まるコンデンサと、数サイクル以上続く変圧器・モーターでは保護機器への影響が変わります。
保護協調
突入電流で不要動作せず、過負荷や短絡では確実に遮断するよう、遮断器特性、電線サイズ、上位保護をセットで確認します。
負荷別の計算方法と使い分け
| 負荷 | このページの簡易式 | 入力で注意する値 | 実務で追加確認すること |
|---|---|---|---|
| モーター | 定格電流 × 始動倍率 | 力率、効率、始動方式、負荷状態 | 直入れ、スターデルタ、インバータ、メーカーの始動電流表 |
| 変圧器 | 定格電流 × 励磁突入倍率 | 容量、一次電圧、投入位相、残留磁束 | 遮断器の瞬時特性、電圧降下、上位保護との協調 |
| コンデンサ入力回路 | I0 = V ÷ R、τ = R × C | ESR、配線抵抗、制限抵抗、NTC抵抗 | 接点容量、整流器、突入電流制限抵抗、繰り返し投入条件 |
計算例
三相200Vモーター
定格電流12.5A、突入倍率6倍なら、突入電流は約75Aです。20Aブレーカーに対しては3.75倍の瞬時電流になるため、始動方式と遮断器特性を確認します。
単相変圧器
2kVA、200Vの定格電流は10Aです。突入倍率10倍で見るとピーク目安は100Aになり、一次側ブレーカーの不要動作確認が必要です。
コンデンサ入力電源
200V、470μF、直列抵抗5Ωなら投入直後は40A、時定数は約2.35msです。抵抗が小さいほどピーク電流が急に大きくなります。
変圧器の励磁突入と抑制方法
変圧器では投入位相や残留磁束によって励磁突入電流が大きく変わります。このツールの「変圧器」は、定格電流に想定倍率を掛けてピークの目安を比較する用途です。実機の最大値や継続時間はメーカー資料、投入条件、保護機器の動作曲線を優先してください。
例として定格電流10A、想定倍率12倍ならピーク目安は120Aです。ブレーカーは定格電流だけでなく、瞬時引外し特性と突入継続時間を合わせて確認します。
突入電流が大きいときの確認手順
- まず 電流計算ツール で通常運転時の定格電流を確認します。
- このページで突入電流のピーク目安と、ブレーカー容量に対する倍率を確認します。
- ブレーカー容量計算ツール で通常運転時の容量候補を確認します。
- 突入電流で不要動作する場合は、始動方式、突入電流制限抵抗、NTC、ソフトスタート、遮断器特性の見直しを検討します。
- 最後に 電線サイズ計算ツール とメーカー資料で、電線の許容電流、電圧降下、短絡保護を確認します。