配線設計 早見表 更新日:2026年4月26日

電線サイズ・電圧降下早見表|許容電流とこう長の確認表

電線サイズを決めるときは、ブレーカー容量だけでなく、許容電流と電圧降下をあわせて確認します。このページでは、配線設計の初期確認に使いやすい早見表と、現場で見落としやすい判断ポイントを整理します。

本ページの表は代表条件での目安です。実際の工事では、電線種類、周囲温度、配管内の本数、施工条件、保護装置、メーカー資料を確認してください。
電線サイズ・電圧降下早見表 許容電流とこう長の確認表
電線サイズ、許容電流、こう長、電圧降下を確認するための早見表イメージ

この早見表で確認できること

このページは、電線サイズを最終決定するための規格表ではなく、候補を絞るための確認ページです。負荷電流、電線の太さ、こう長、電圧降下率を先に整理しておくと、あとで 電圧降下計算ツール を使うときの入力条件も迷いにくくなります。

電線サイズの候補

VVF 1.6mm、2.0mm、2.6mm や CV ケーブルを検討する前に、用途と負荷の大きさを整理します。

許容電流の確認

負荷電流に対して電線が細すぎないか、施工条件で余裕が不足しないかを確認します。

最大こう長の目安

距離が長い配線で、候補サイズが電圧降下の面でも使えそうかを大まかに見ます。

精算が必要な条件

早見表だけで判断しにくい長距離配線、モーター負荷、管内本数が多いケースを切り分けます。

電線サイズを決める前に見る3つの条件

許容電流

負荷電流が電線の許容電流を超えないかを確認します。周囲温度や配管内の本数が増えると、同じ電線でも流せる電流は小さくなります。

こう長

電源から負荷までの配線長です。こう長が長いほど電線の抵抗分が効き、同じ電流でも電圧降下は大きくなります。

電圧降下

負荷端の電圧が下がりすぎないかを確認します。照明のちらつき、モーターの起動不良、機器の効率低下につながることがあります。

電線サイズ別の用途目安

住宅や小規模設備でよく見る電線サイズは、用途によって確認すべきポイントが変わります。以下は代表的な見方であり、実際の許容電流は電線種類、心数、敷設方法、周囲温度で変わります。

電線サイズ よく確認される用途 注意点
VVF 1.6mm 照明、小容量コンセント、短い分岐回路の候補 距離が長い場合や負荷電流が大きい場合は電圧降下を確認
VVF 2.0mm 一般コンセント、エアコン専用回路などで検討されやすいサイズ ブレーカー容量だけでなく、こう長と連続負荷を確認
VVF 2.6mm 長めの分岐回路や比較的大きい負荷の候補 施工性、端子適合、保護装置との組み合わせを確認
CV 3.5sq以上 幹線、小規模動力、分電盤間の配線候補 電圧降下、許容電流、短絡時の保護条件を分けて確認
CV 5.5sq以上 三相負荷、ポンプ、空調機、長距離配線の候補 起動電流と力率を含めた詳細計算を優先

許容電流早見表の見方

許容電流は、電線の種類と敷設条件によって変わります。下表は「電線サイズを決める前に何を見るべきか」を整理するための確認表です。数値はメーカーや規格表で確認し、条件が厳しい場合は補正係数を考慮します。

確認項目 見るポイント 判断の目安
負荷電流 実際に流れる最大電流、連続運転時間、起動電流 連続負荷やモーター負荷は余裕を持って確認
電線種類 VVF、CV、IV、VCT などの種類 同じサイズでも許容電流は同一ではない
施工条件 露出、管内、ダクト内、束ね配線、周囲温度 放熱しにくい条件ほど許容電流は下がる
保護装置 ブレーカー容量、過電流保護、分岐回路条件 電線だけでなく保護協調も確認する

参考:公開されている電線メーカー資料では、周囲温度30℃を基準にした許容電流表や、温度補正係数が示されています。

許容電圧降下の目安

電圧降下は「何V下がったか」だけでなく、「電源電圧に対して何%下がったか」で確認します。同じ4Vの降下でも、100V回路では4%、200V回路では2%となり、影響の見え方が変わります。

回路の見方 確認する目安 注意したい負荷
一般的な照明・コンセント回路 2%前後を超えないかをまず確認 LED照明、電子機器、屋外コンセント
幹線と分岐回路を合わせて見る場合 幹線側と分岐側を分け、合計の降下率を見る 分電盤から離れた部屋、離れ、屋外設備
動力・モーター回路 定常時だけでなく起動時の電圧低下も確認 ポンプ、コンプレッサー、ファン、工作機械
精密機器・制御機器 機器仕様書の入力電圧範囲を優先 制御盤、医療機器、通信機器、計測機器

単相200Vの最大こう長早見表

次の表は、単相2線式200V、許容電圧降下4Vを前提に、簡易式から求めた最大こう長の目安です。VVFの代表的な導体径を断面積に換算して計算しています。

電線サイズ 断面積の目安 10A 15A 20A 30A
VVF 1.6mm 約2.0mm² 約22m 約15m 約11m 約7m
VVF 2.0mm 約3.1mm² 約35m 約23m 約17m 約11m
VVF 2.6mm 約5.3mm² 約59m 約39m 約29m 約19m
計算条件:簡易式 e = 35.6 × L × I / (1000 × A) を使い、電圧降下 e = 4V として逆算しています。実際の許容電流や施工可否は、この表だけで判断しないでください。

単相100V・単相200V・三相200Vの比較早見表

電線サイズの選定では、同じ電流・同じこう長でも、回路方式によって電圧降下率の受け止め方が変わります。特に単相100Vは、少しの電圧降下でも割合が大きくなりやすい点に注意します。

回路方式 4V降下時の割合 向いている確認 早見表を見るときの注意
単相100V 約4% 照明、コンセント、小型家電 長距離では早めに電線サイズを上げる検討が必要
単相200V 約2% エアコン、IH、小型設備 負荷電流と専用回路条件をあわせて確認
三相200V 約2% モーター、ポンプ、業務用設備 力率、起動電流、電線インピーダンスを考慮

単相100V・三相200Vでは確認点が変わる

単相100V

同じ4Vの電圧降下でも、100V回路では4%になります。家電、照明、小型機器では電圧変動の影響が目立ちやすいため、長距離配線では早めに太い電線を検討します。

  • 2V降下で約2%
  • 4V降下で約4%
  • 距離が長い庭園灯、屋外コンセント、離れの配線は要確認

三相200V

三相回路では計算係数が変わり、力率やモーター起動時の電流も確認対象になります。定常運転では問題なく見えても、起動時に電圧が落ちるケースがあります。

  • モーター容量と起動方式を確認
  • 力率が低い負荷では詳細計算を優先
  • 分電盤から設備までのこう長を実測に近い形で見る

電線サイズ確認の具体例

例として、単相200V、負荷電流20A、分電盤から機器までのこう長が15mの回路を考えます。早見表では VVF 1.6mm の20A欄が約11m、VVF 2.0mm の20A欄が約17mなので、電圧降下だけを見ると VVF 2.0mm 以上が候補になります。

早見表での判断

  • VVF 1.6mm:20Aで約11mのため不足しやすい
  • VVF 2.0mm:20Aで約17mのため候補に入る
  • VVF 2.6mm:約29mまで余裕を見やすい

最終確認で見ること

  • 許容電流が施工条件で足りるか
  • 端子や機器側がその電線サイズに対応するか
  • 起動電流や連続使用の条件が厳しくないか

このように、早見表は候補を絞るために使い、最終判断では実際の条件で計算と資料確認を行います。

電圧降下早見表を使う手順

  1. 負荷の消費電力や定格電流を確認する。電流が不明な場合は 電流計算ツール で概算します。
  2. 単相100V、単相200V、三相200Vなど、回路方式を確認する。
  3. 分電盤から負荷までのこう長を確認する。往復長ではなく、表や式の前提に合う長さで扱います。
  4. 候補の電線サイズで、許容電流と電圧降下の両方を確認する。
  5. 表の上限に近い場合や条件が厳しい場合は、電圧降下計算ツール で詳細に確認する。

早見表だけで判断してはいけないケース

ケース 理由 推奨する確認
こう長が長い わずかな抵抗差でも電圧降下が大きくなる 詳細な電圧降下計算を行う
モーターやポンプ 起動電流で一時的に電圧が大きく下がる 起動条件と保護装置を確認
管内本数が多い 放熱が悪くなり許容電流が下がる 電流減少係数を確認
周囲温度が高い 絶縁物や導体温度の条件が厳しくなる 温度補正係数を確認
医療・制御・精密機器 電圧変動への許容範囲が狭いことがある 機器仕様書の入力電圧範囲を確認

より正確に確認する

早見表で候補サイズを絞ったら、配線長、電流、電圧、電線サイズを入力して、電圧降下率を確認してください。許容値に近い場合は、電線サイズを上げる、こう長を短くする、負荷分散を検討するなどの対策が必要です。

関連ページでさらに確認する

電圧降下計算ツール

こう長、電流、電線サイズを入力して、電圧降下値と降下率を確認できます。

計算する

電流計算ツール

消費電力や電圧から負荷電流を概算し、電線サイズ確認の前提を整理できます。

電流を求める

電圧降下計算ガイド

計算式、許容値、単相と三相の違いを詳しく確認したい場合に役立ちます。

詳しく読む

参考資料

本ページは、公開されているメーカー技術資料や電気設備関連資料を参考に、配線設計の初期確認向けに整理しています。

よくある質問

いいえ。許容電流を満たしていても、こう長が長いと電圧降下が大きくなることがあります。電線サイズは、許容電流、電圧降下、施工条件、保護装置をあわせて確認します。

一般的には小さくなります。電線が太いほど抵抗が小さくなるため、同じ電流とこう長であれば電圧降下は抑えやすくなります。ただし、施工性や端子サイズ、コストも確認が必要です。

こう長は、電源側から負荷側までの配線経路の長さです。電圧降下計算では、回路方式ごとの式に合わせて扱います。図面上の直線距離ではなく、実際の配線ルートに近い長さで確認します。

条件によって異なります。VVFの許容電流は、心数、周囲温度、敷設方法、配管内の本数などで変わります。代表値だけで判断せず、メーカー資料や施工条件を確認してください。

一般コンセントや専用回路などで候補になりやすいサイズですが、使用可否は負荷電流、ブレーカー容量、こう長、施工条件で変わります。距離が長い場合は電圧降下も確認してください。

一般的な低圧配線では2%前後をまず確認の目安にします。ただし、幹線と分岐回路の合計、設備の種類、機器仕様、施工条件によって判断は変わります。

どちらか一方ではなく両方を確認します。許容電流は発熱や安全面の確認、電圧降下は負荷端の電圧品質の確認です。片方を満たしていても、もう片方でサイズアップが必要になることがあります。